骨粗しょう症予防は早めに

骨粗しょう症は、閉経後の女性に多い病気です。

60歳女性の3人に1人は骨粗しょう症を発症すると言われ、50歳代からは誰もがかかる可能性があります。

まだ先のこと、と考えずに予防することが必要です!

というのは、骨粗しょう症は、一度脆くなってしまうと、元の状態に戻ることはないからです。だから骨粗しょう症の治療は、薬でこれ以上骨が弱くなるのを防ぐ、「食い止め治療」なのです。弱体化を食い止めるだけで、骨の強度を若い頃並みに戻すことはできません。

骨粗しょう症は骨の強度が下がり、脆くなる病気です。

エックス線で見てみるとよくわかりますが、健康な骨は内部に網目状の構造の骨梁(こつりょう)がぎっしり詰まっています。

しかし骨粗しょう症になると、骨梁が細くなったり、折れたりしてスカスカになり、骨折しやすくなります。

特に閉経後になると、骨を強化する女性ホルモン「エストロゲン」が減少するので発症しやすくなります。その後、加齢とともにスカスカ度が加速していきます。

骨粗しょう症になると、普段のちょっとした動作で骨折しやすくなります。

手首、太ももの付け根、背骨が特に骨折しやすいです。

骨折すると、生活に支障が出るようになり、寝たきりや要介護状態になることもあります!

骨粗しょう症は気付かないうちに症状が進行し、骨折してから初めて発症に気付くことが多いです。しかしそうなってからではもう、元に戻すことはできないのです!

骨粗しょう症は、体質や遺伝が関係します。

家族で骨粗しょう症にかかった人がいる場合は注意が必要です。

子宮摘出手術を受けて早くに閉経を迎えた人、リウマチなどの治療でステロイドを服用している人も、リスクが高まります。

生活環境でも変わってきます。骨粗しょう症リスクを高める生活環境的要因は次の通りです。

★カルシウムやビタミンD、ビタミンK不足
★偏食
★運動

これらに当てはまるようなら、今のうちから改善しておくようにしましょう。

骨粗しょう症の有無を調べるために、骨量を測定することができます。超音波やX線を使って測定しますが、いずれも数分で済み、痛みも副作用もないので利用しやすいです。

骨粗しょう症は自覚症状がほとんどない病気ですから、定期的に骨量を測定し、自分の現在の状況を把握していくことが必要です。

検査は発症率が高まる60歳、70歳から始めるのが通常ですが、早くに閉経を迎えた人、痩せ型の人は50歳代から検査を受けておくのをおすすめします。早いうちから骨の健康に気をつけましょう。

骨粗しょう症を発症してしまったら、薬で骨が弱くなるのを防ぐほか、カルシウムとビタミンDを含むバランスとれた食事、適度な運動をするなど日常生活からも改善していきます。

その際、前向きな気持ちで治療することが大切です。

「どうせ年だし、もう治らないし」と悲観的になってしまうと、体の方もどんどん弱くなってしまいます。あきらめずに積極的に治療を受け、不安なことは担当医にドンドン相談して解消しましょう。

いつまでも美しく健康でいたいという真摯な心が、一番の治療法なのかもしれません。