タイプ別に見る不正出血ケア

不正出血がある場合は背後に病気が隠れていることもあるので、注意が必要です。

と、女性の健康に関する雑誌を読んでいるとよく書かれていますが、実際にどうすればいいのでしょうか。

通常、閉経前の女性は出血することに慣れています。

定期的に月経があるからです。

ところが月経のとき以外に、膣や子宮などから出血することがあります。これが不正出血です。

不正出血はごく少量のこともあれば、大量に出ることもあります。

月経の前後、性交渉の後に突然起こることもあります。

出血は赤ではなく薄いピンク色や褐色のこともあります。

少量だけおりものに混じっている、見分けにくいものもあります。

しかし大切なことは、量や色にかかわらず、不正出血が起こったらなるべく早く受診することです。

自己判断は禁物です。

不正出血には機能性出血と器質性出血、妊娠に関連した出血があります。

★機能性出血
ホルモンバランスの乱れが原因。
特別な病気とは関係ありません。月経と月経の中間(排卵期)に起こる中間期出血はその代表例で、更年期・思春期の女性に多いです。ストレスや不規則な生活によりホルモンバランスが崩れ、不正出血につながることもあります。

★器質性出血
何らかの病気によって起こる不正出血。
子宮がん、子宮筋腫、子宮内膜炎、膣炎など様々な病気が考えられます。

★妊娠に関連した出血
流産や子宮外妊娠など、妊娠にかかわる原因で不正出血します。

この中で気をつけないといけないのは器質性出血です。

妊娠している人で不正出血がある場合、健診の時に担当医に伝えるようにしましょう。

タイプ別に見ていきましょう。

・月経と月経の中間に少しの出血
排卵期(月経後約1週間から10日程度)にあたり、出血量がわずかなら心配はありません。排卵期以外で出血量が多かったり、長く続いたりするなら婦人科を受診しましょう。更年期からの中間期出血は子宮がんの可能性もあります。

・月経後の少量の出血
月経の2、3日前、月経後に少量出血するなら機能性出血です。量が少ないなら心配ありません。

・不正出血+月経痛、月経過多
子宮筋腫が疑われます。腰痛や貧血を伴うこともあります。早めの受診を!

・性交渉のあとの出血+おりもの異常
性交渉後、不正出血だけではなく、おりものに血が混じる、量が増えた、悪臭がするなどの異常があるときは、子宮膣部のびらん、子宮体がん、子宮頸がんなどいろいろな病気が感じられます。早めに受診を!

・月経が止まらず出血が続く
卵巣の機能不全によるホルモン異常、子宮内膜症、子宮筋腫などいろいろな病気が考えられます。早めに受診を!

・閉経後に不正出血
委縮性(老人性)膣炎の可能性があります。膣の炎症ですが、子宮体がん、膣がん、外膣がんの可能性もあります。早めの受診を!

・不正出血+歯ぐきなどからも出血
白血病や血小板減少など、血液の病気の可能性もあります。歯ぐき以外に、ケガなどによる出血が止まりにくくなったりもします。内科も受診しましょう。